*

2018年角川四賞授賞式に行ってきました。

 

 

■ゆく年くる年

 

 

どうも最東です。

 

 

早いもので、またまたこの季節がやってきました。

 

 

角川四賞授賞式&パーティー!

 

 

すごくないですか、四賞ですよ?

 

 

三賞じゃなく四賞なんですよ!

 

 

しかもね、四賞なのは…………今年だけなんですよ!

 

 

というのも、本年度に限って『山田風太郎賞』『横溝正史ミステリー大賞』『日本ホラー小説大賞』『野性時代フロンティア文学賞』のよっつだったからなんです!

 

 

しかし、それよりもすごいことがあります。わかりますか?

 

 

それは…………そんなレアな授賞式だったのに、写真一枚も撮ってないってことっすわァ!ほほー!!(亀仙人ボイス)

 

 

 

■有終の美

 

 

 

話が逸れましたが、なぜ今年に限り『角川四賞』なのかということについて触れておかなくてはいけません。

 

 

私が作家として世に出してくれた賞『日本ホラー小説大賞』と、『横溝正史ミステリー大賞』が2019年度より統合され、『横溝正史ミステリー&ホラー小説大賞』として生まれ変わるのです。

 

 

つまり、単体としての賞は『日本ホラー小説大賞』、『横溝正史ミステリー大賞』の両賞は今年が最後ということになるのです。

 

 

そして、今年度から新たに三賞の仲間入りを果たしたのが『野性時代フロンティア文学賞』。

 

 

来年からは名称が変更になるそうですが、とにかく諸々の理由があり今年度は四賞と相成ったのです。

 

 

統合される、とはいえ『第三十九回横溝正史ミステリー&ホラー小説大賞』でリスタートするので結果的に『日本ホラー小説大賞』が横溝正史ミステリーに吸収される形に近いのではないでしょうか。

 

 

元々、鈴木光司先生がかの傑作『リング』を『横溝正史賞(現横溝正史ミステリー賞)』に応募したことがきっかけで生まれた賞だといいます。

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なので本質的には吸収された、というより元に戻った、が正しいそうなのですが……。

 

 

そうはいっても、ホラ大出身としては寂しい限りです。

 

 

 

■ラストイヤーは大盤振る舞い

 

 

 

毎回、『大賞がでない』ことで有名な日本ホラー小説大賞、横溝正史ミステリー大賞ですが最後の年となった今年はまさに両賞、明暗分かつ結果となりました。

 

 

『横溝正史ミステリー大賞』では大賞なし。優秀作に犬塚理人さんの『人間狩り』が選ばれました。

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一方の『日本ホラー小説大賞』はというと、なんと史上初の目白押し。

 

 

大賞作が二本!さらに一本は読者賞とのダブル受賞!

 

 

秋竹サラダさん『祭火小夜の後悔』が大賞&読者賞のダブル受賞。

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福士俊哉さん『黒いピラミッド』が大賞受賞。

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すごいっ!

 

 

さらにさらに、今年はもっとすごいサプライズ受賞がありました。

 

 

岩井圭也さん『永遠についての証明』は、『野性時代フロンティア文学賞』を受賞されたのですが……受賞しただけでもとんでもないことなのに、なんと岩井さん、『野性時代フロンティア文学賞』に、もう一作投稿していたそうです。

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まだ終わりません。実は、『横溝正史ミステリー大賞』の最終選考候補にも『藍と苺』で残っていたのです。

 

 

辻村深月さんが壇上でそれを語った時、会場は息を呑み、直後にざわつきました。

 

 

正直、「え、そんな新人いるの?」って感じです。

 

 

私も『永遠についての証明』は読みましたが、同じ年に何作も同時に投稿しているような作家が(失礼ながら)書いたとは思えない高レベルな作品でした。

 

 

不肖、わたくしめも大号泣したほどに。

 

 

文芸界では、まだまだこんなことあるのだなぁ。事件ずくめの2018年は慌ただしく過ぎようとしている……そんな感傷に浸りました。

 

 

 

■祝賀パーティー

 

 

 

いやはや、わたしも2016年にデビューして作家生活三年目。なんとか食べていけてます。

 

 

自分なりに一生懸命やってきたつもりなのですが、こういう場にくるとすごい人たちばかりがいて「くっそー!まだまだやな!」と毎回思い知らされます。

 

 

とてもいい刺激です。

 

 

そして、会場にはテレビでしか見ないような有名作家さんの姿もちらほら……。

 

 

今年は道尾秀介さんにご挨拶することができました。去年、挨拶した鈴木光司レジェンド先生とは3回くらいハグし合う関係に。(なぜだったかはもはや忘れました)

 

 

念願かなって、白井智之さんに愛をぶちまけたのと、芦沢央さん、内藤了さんにお会いできたのも嬉しかったです。

 

 

憧れの作家や、お馴染みの作家、書店員さん、出版社関係者たちで犇めくパーティー会場は、毎度のことながら目がしばしばするくらいに現実離れしている光景です。

 

 

今年の受賞者のみなさんにも挨拶したところ、これまた嬉しいことにみなさんが私のことを知っていてくれていました。(岩井さんはTwitterで絡みがあったのですが)

 

 

まだまだこれからとはいえ、同じ土俵で戦う仲間に認知されているのは本当に嬉しいし、やりがいを感じる瞬間でもあります。

 

 

賞が統合される……ということは来年以降、直系の後輩作家が途絶えてしまうことでもあるのですが、ふたつのタイトルがひとつになったことでさらに大型新人が生まれ、レジェンドになるかもしれません。

 

 

文芸界は、まだまだ元気です。私には足音が聞こえる気がします。

 

 

とかなんとかいいながら、自分もサボっていられないですね。これからもどんどこ、変なホラーから正統派ホラーまで、たくさんの人を怖がらせる小説を書いて行こうと思っている次第です。

 

※画像は児島都さんからいただいたステッカーです。

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